ドラマストーリー解説・考察

SPEC(スペック)

スペシャル(SPEC 翔)のストーリー
 地居との戦いから1年後、目の療養で警視庁を休職中だった瀬文がミショウに戻ると、そこには係長待遇に降格した野々村(竜雷太)に代わり、係長に任命された市柳(でんでん)と組織犯罪対策部から異動になった吉川(北村一輝)の姿があった。

 数日後、奇妙な殺人事件が起きたとの連絡がミショウに入る。白昼の街中でマシンガンによる殺人事件が起き、女子高生が一人、生存しているという。しかもその女子高生は、「犯人は全身黒づくめで、瞬間移動して逃げた」と証言。撃ち合っていたらしき当事者の写真の中には、サトリ(真野恵里菜)の姿があった。サトリはナイフで切りつけられており、その手には女帝のタロットカードが握られていた…。

 当麻は、スペックホルダーの奪い合いの抗争が白昼堂々と行われた、と分析。早速、その生存者・久遠望(谷村美月)が入院する警察病院へ向かう。

 望は犯人の顔は見たが、一瞬だったのでよく覚えていないという。瀬文が一(ニノマエ)の写真を見せ、「この男ではなかったか?」と確認するも、「よくわからない。」と。しかし当麻は一は死んだことを確信していた。そして吉川に犯人の顔を見た望を警護するよう指示した。

 病院の屋上で瀬文は当麻に聞いた。「地居との戦いの、あの時何があった?」
 しかし当麻は答えようとはしなかった。

 その頃、野々村の元にある報告が届いていた。
今週の金曜日、成田空港にシンプルプランが持ち込まれます。

 病院で望の警護をしていた吉川の元に、黒づくめの男が現れた。必死に応戦するも、男は瞬間移動で望の病室へ侵入する。しかしそこには既に望はおらず、吉川によって撃退されるが、逃げられてしまう。それまで半信半疑だった吉川も、能力者を間近で見ることでSPECホルダーが存在することを理解した。

 望は霊安室にかくまわれていた。そして望は両親の葬儀には参列したいという。
吉川は危険だと止めるが、当麻は「わかった。私が何としても守るから。」と言った。

 望の両親の葬儀。当麻の指示であらゆるところに監視カメラを設置し、万全の警備体制がしかれた。
しかし突如聞き覚えのあるブブゼラの音色が響き渡る。そう、志村を連れ去ったブブゼラのサラリーマン達である。
その会場にいる全員を連れ去ろうとするも、駆けつけた当麻と瀬文によって阻止される。望を連れて急いで現場から退避する当麻たち。

 現場に残った野々村は同じく残った市柳に詰め寄り、「デッドエンドの場所を教えろ。」と言った。そしてこう続けた。
「君の部下が裏切り者だということも分かっている。津田君、君の部下の決着は君がつけろ。」と。

 当麻はとある地下駐車場に、事前に逃走用の車両を4台用意しており、そこから市柳の指示で、望はSPECホルダーの保護施設「デッドエンド」へかくまわれることとなった。そして一人残った当麻は「黒づくめの男を待ち伏せます」と言った。

 一人になった当麻は、未だギブスに固定されている左手を光らせ、地面につけた。そして地面の黒い渦から人間を引きずり出したのである。そう、当麻もSPECホルダーであったのである。引きずり出した人間は、冷泉であった。冷泉はその能力を使い、黒づくめの男の出現先を予言し、当麻へメモを渡した。

 それら一部始終を見ていた瀬文。当麻は「あの時」のことを語りだす。

 地居との戦いで銃の撃ち合いになった際、地居の銃弾は全て地居に命中した。それは当麻の能力で呼び出されたニノマエによって行われたものであったのである。当麻は死者を呼び出すことができるSPECの持ち主であった。そのため左手を狙われ、切断されることとなったのだった。

 当麻はその能力によって、周りの人間を不幸にして苦しんできた。瀬文は言った「SPEC込みのお前なんて認めない。」
そう言うと瀬文は携帯電話で自分の動画を撮影し、黒づくめの男を挑発した。そして動画サイトへアップロードして続けた。
「俺はそんなものに頼らずに捕まえてやる。」


 冷泉の予言によって先回りした当麻は、望が乗る車が通りかかる場所で待ち伏せる。そして予言どおり現れる犯人に対して発砲し負傷させる。しかし犯人はまたしても瞬間移動で逃走する。

 次の予言場所は工事現場だった。そこでも望を守る当麻であったが、工事現場の作業員も犯人の顔を見てしまい、やむなく一緒に連れて行くことにする。


 望と作業員は無事デッドエンドに到着した。一安心の当麻たち。そこへ瀬文が犯人を捕まえたとの連絡が入る。

 犯人は確かに黒づくめの男であったが、SPECホルダーではなかった。そして当麻は気付いた。それらが罠であったことに。
 黒づくめの男は、瞬間移動させられていたのであった。そして、瞬間移動させていたのは、あの工事現場の作業員だったのである。

 作業員はデッドエンドにかくまわれているSPECホルダーたちを、強制的に連れ去ろうとしていた。従わないものは射殺した。そこへ当麻たちが駆けつける。瀬文と吉川によって取り押さえられた作業員は、最後に爆弾を投げつけた。

 その瞬間、当麻の左手が再び光り、ニノマエが呼び出された。

 ニノマエによって時間を止められ、作業員は縛り付けられ、瀬文や吉川を避難させることができた。次に望を避難させようとしたとき、当麻は作業員の首が切りつけられていることに気付く。それはサトリと同じだった。そこで当麻はサトリが残したタロットカードの意味を知る。女帝=クイーン=久遠。本当の犯人を知った当麻は、望を銃で攻撃する。

 望は瞬間移動で回避し、こう言った。
「いたいけな女子高生に何すんのよ(笑) あなたはこう思っている。なぜ、こいつは止まった時間の中で動ける?なぜこいつは瞬間移動することができる?」

 望もSPECホルダーだったのである。望の能力は他人のDNAを取り込むことで、他人のSPECも使えるようになることだった。
ニノマエの能力も望によって取り込まれていた。そしてサトリの能力や作業員の能力も。

 「何かしようとしても無駄よ。あなたが何をするかも全て読んでいる。」

 その瞬間、当麻は自身の能力でサトリを呼び出した。再びサトリの能力で当麻の心を読もうとする望。しかし読み取ることはできなかった。コピーはオリジナルには勝てなかったのである。そして当麻は冷泉も呼び出し、望の瞬間移動先も予言する。

 追い詰められた望は、久子のSPECを使って当麻を吹き飛ばした。しかし再び時間が流れ始めたことに気付かず、瀬文たちによって取り押さえられた。

 当麻は更に海野を呼び出し、望の能力を消去してもらった。そして自身の左手の能力も封印してもらう。

 しかしその間に目を覚ました作業員は、望を連れて瞬間移動して逃走する。作業員は津田であった。津田は電話で作戦の失敗を報告する。そこへ市柳が現れ、津田へ発砲する。致命傷を負う津田。

「誰に待ち合わせ場所を聞いた…?」

「御前会議さ。」

「御前会議だと…裏切ったな…」

「お前こそ、津田助広の歴史を汚した裏切り者だ。」


 当麻たちは津田がどこへ消えたか探す。しかし次の瞬間、吉川が死体となっていた…。

 向かいのビルの屋上から立ち去る人影。

「あいつらの仕業か…。」
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