SPEC(スペック)
ある夜、瀬文は志村の担当医・海野から志村を治せる医者がいるかもしれないと言われる。その医者は「神の手」を持つ医者で、実際に海野はその医者に治してもらったことがあるという。
話を取り合わずに帰る瀬文は、途中奇妙な少女とぶつかる。その瞬間、脇を逮捕する際に傷めていた左腕が完治していた。また、あたりを見回していても、その少女はどこにもいなくなっていた。
刑務所では冷泉と津田が話をしていた。冷泉は釈放の取引である予言をする。それは、明日の午後1時、あるガソリンスタンドで大惨事が起こるというものであった。津田はミショウに張り込みをさせて、予言が真実かどうか見極めることにする。
当麻と瀬文は上層部からガソリンスタンドの張り込みを命じられ、そこへ行くと、アルバイトの武藤が客や他の店員、更には駆けつけた当麻にもガソリンをかけ、火をつけようとした。
間一髪、瀬文がそれを防ぎ、武藤を逮捕する。しかし逮捕した武藤はそのことを全く覚えていなかった。
取調べ中、突然武藤が京都弁で話し出す。「このバイト君には罪はないんよ〜。」と。
聞くと、自分が武藤に憑依して事件を起こしたので、武藤は覚えていなくて当然だという。
当然にわかには信じられない話なので、今度は取調室の横にいた林実(はやし みのる)巡査に憑依した。
そして「これから自分の能力を証明するために全国の林実に憑依してやる」と宣言する。
しばらくして、日本中で林実という人物が次々を事件を起こし始める。そして警察に「48時間以内に、私を捕まえられないときにはマスコミに対してこの能力を発表する」との挑戦状が届いた。
そんな中、ついにある林実が殺人事件を起こしてしまう。
彼は慶徳大学医学部の中山教授の助手の林実であった。
林は他の事件と同様に憑依されていた様子で、全く事件を覚えていない。
警察は取り調べにおいても、この林は憑依され事件を起こしたので、無罪だと考えていた。
そこへ当麻が一人で来る。
当麻はこの林実こそが、憑依する能力をもった本体であると突きつける。
その証拠に林実のパソコンを調べた結果、林のパソコンからは巧妙にデータが消された痕跡があった。そしてそのデータを解析したところ、中山教授の論文が見つかったのである。
つまり、林は中山教授に手柄を横取りされていたのだ。
そのことで林は中山を恨み、殺したのだった。
憑依する能力を使い、逃げようとする林であったが、瀬文が助けに入り、本体の林を攻撃して取り押さえた。
無事事件を解決したミショウであったが、当麻はこれからが本番だといい、テレビと録画機器をセットした。
そこには逮捕され、拘禁された林実が写っていた。
そのとき、再び時間が止まり、一(にのまえ)が林の前に現れる。
止まった時間の中で、林を動けるようにした一は聞いた。
「なぜSPECを公表しようとした?」と。
林は「僕は僕だ。SPECを持っていてもお前たちの仲間ではない。お前たちのことも少しは研究した。」と答える。
一は「安心した。サブコードもよくわかってなかったんだ。」と言う。
そして「まぁいいや。死ね。」と。
鍵を奪って中に入ろうとする一であったが、録画されていることに気づき、
「当麻ぁ!」と叫ぶ。
林が殺されたとの連絡を受けた当麻は、急いで録画した映像を確認する。
そこには一瞬だけ一が写っていた。
第3話のストーリー