SPEC(スペック)
瀬文は指定された場所−マンションの一室を訪ねた。
中には小学生の子供が一人。子供がしゃべると瀬文は驚く。その声は中年の男の声だった。
彼は言う。「ここにはヒーラーはいない。助けて欲しければ、公安部の津田の身柄を引き渡せ。指定する病院を今夜訪ねろ。」と。
半信半疑のまま訪ねた病室では、エグザイルもどきが入院中の幼稚園児の前で踊っていた。踊りが終わると何と、幼稚園児が完治したのである。
再び看護師が男の声で言う。「コインロッカーの鍵だ。その中に津田の情報が入っている。」
一方当麻は一(にのまえ)の住所を訪ねた。インターフォンを押すと、出てきたのは一の母親であった。母親が一を呼び、現れた一十
一。その瞬間彼は指を鳴らした。
気がつくと当麻はビルの屋上にいた。そして一も。
当麻は一にこれ以上人を殺すな、自首しろと説得する。しかし一は聞く耳を持たず言った。「君が僕の家族を皆殺しにしたんじゃないか。爆弾魔の癖に説教するなんてウザイ。死ね。」
再び一が指を鳴らすと、当麻はビルの屋上から転落した。
その瞬間、当麻は自宅のベッドで目が覚める。そこには祖母(?)と地居がいた。ビルの下で倒れているのを発見されたとのこと。
瀬文はコインロッカーから取り出したデータを元にフリーライターの渡辺に会っていた。津田の居場所を聞き出したが、その後渡辺は変死し、瀬文が重要参考人として指名手配されてしまう。
津田の居場所は国会議事堂だった。さすがに警備が厳重で手が出せない瀬文の前に、再びあの声の男が現れた。そしてそこには一十一の姿もあった。
時間を止める事が出来る一は瀬文もその時間が止まった世界に連れ込み、国会議事堂の中へ入っていく。
津田の部屋にたどり着くと、一は時間を動かした。
突然現れた一と瀬文に驚く津田と公安であったが、すぐに銃を取り出し発砲した。その瞬間再び一は時間を止めた。そして、瀬文も動けるようにすると、空中で止まっている弾丸をひっくり返し、自分で撃った弾丸が跳ね返った状態にした。
それを見た瀬文は気がつく。志村の時と同じだと。あの事件は一の仕業だったのである。
逆上する瀬文に一は言う「僕だって、好きでやってるんじゃないっ!!」
瀬文は空中の弾丸を叩き落し、津田の身柄を運び、引き渡した。
一は連絡し、ヒーラーの手配をした。
瀬文が病院に向かうと、志村は目を覚ましていた。
当麻も公安部を盗聴し、病院へ駆けつけた。何も覚えていない志村であったが、美鈴と瀬文は泣いて喜んだ。
しかし、その瞬間二人のスーツ姿の男が現れ、ブブゼラを吹き始めた。みるみるうちに志村と二人の男の姿が消えてしまい、外では悲鳴があがった。
外には志村が倒れていた。
ある会議室では一が憤っていた。「それじゃ約束が違う!」と。
しかし返ってきた言葉は「大人の決めたことに口を出すな。」
一は心を決めた。
第8話のストーリー