身元不明のチョコザイ(中居正広)を生活安全課に保護してもらうこととなり、病院の検査に立ち会う沢(北村一輝)と舞子(栗山千明)。するとそこへ、「医大生としてチョコザイが気になる」と舞子の弟・昇(玉森裕太)がやって来た。
検査の結果、IQは驚くほど高いが、得意な事と苦手な事の差が激しく、発達障がいの可能性があると判明。また、療育【障がいをもつ人に対する治療教育】を受けていた可能性があり、その施設を探せばチョコザイの素性が特定できるかもしれないという。
そんな時、有明港に頭部に不審な陥没痕がある水死体が上がったと、玉倉(三好博道)が病院に駆け込んで来た。
死亡したのは広告代理店社長・弓削勝則(矢嶋俊作)。鑑識の唯(光宗薫)の報告によると、「死因は溺死の可能性が高い」とのこと。現場は釣りの穴場で、崖の上に道具が転がっていたことから、趣味の釣りをするため崖に上がったが足を踏み外して転落したのではないかと推測された。
野崎(千原せいじ)は、明らかに事故であり「捨て山」だと言うが、舞子は腑に落ちない。妻の啓子(高橋ひとみ)と息子の拓海(浅利陽介)から事情を聞くも、勝則からは「四日間の出張に行く」と聞かされただけで、仕事のことは何も分からないと言う。しかし、その後の捜査で、会社の社員から「妻に内緒でプライベート休暇を取っていた」という証言が出てきた。
ある日、自宅で勝則の遺体写真と遺品の鑑識写真を見ていた舞子に、チョコザイが「Fracture、落ちたの、どっち」と呟いた。
また、捜査が進むにつれて、ネイリスト・小嶋裕子(高橋愛)という女性の存在が浮上する。裕子の勤務先によると、裕子は勝則の通夜の日に「知人の通夜に出る」と欠勤しており、不倫相手の可能性が出てきた。しかし事情聴取を行うも、裕子には完璧なアリバイがあった。また、勝則の妻や息子にも同様に完璧なアリバイがあった。
再びチョコザイに資料を見せると、「海老、スイーパー、掃除」と呟いた。それは勝則の胃の内容物に海老が入っていたとのことであったが、スイーパーとは?
捜査を進めると、スイーパーとはヨコエビのことで、海の掃除屋のことであるとわかった。そして、司法解剖の結果、勝則の胃の内容物の海老の成分とヨコエビの成分が一致した。ヨコエビが死体に群がると、死亡推定時刻が変化する。新たに計算すると、死亡推定時刻は1日程度ずれることとなった。
新たな死亡推定時刻には、裕子も妻も息子もアリバイが無い。それを聞いたチョコザイは「ロカール」と呟いた。ロカールの交換原理とは、とある異なる物体が接触する時、一方から他方へその接触した事実を示す何らかの痕跡が必ず残されるという原理である。
このことに基づいて捜査した結果、勝則の息子のブーツから、事件現場の土が見つかった。事情聴取の結果、息子は勝則の殺害を認めた。
勝則は裕子と不倫をしていた。しかし息子はそれをばらすぞと裕子に迫り、無理やり付き合うことになっていた。しかし、裕子と勝則の関係は続き、我慢できなくなった息子は、勝則を殺害したのであった。
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