大澤絵里子(天海祐希)は、誰かと電話をしていた。こちらの準備はできている、と話す相手は、木元真実(戸田恵梨香)だった。
そんな折、中年の夫婦が刺殺される事件が起こった。夫婦ともに一撃で殺されていることから、絵里子は、殺しのプロの犯行だと断定。また、夫婦の5歳の娘・愛海(毛利恋子)が行方不明になっていることもわかった。
片桐琢磨(玉山鉄二)、山村啓輔(温水洋一)とともに夫婦宅を捜索した絵里子は、キッチンに残された食べかけの料理に引っかかりを感じた。そんななか、愛海が保護された。野立信次郎(竹野内豊)は、しばらくの間、対策室で愛海を保護すると発表。岩井善治(ケンドーコバヤシ)が世話役に任命された。
絵里子は花形一平(溝端淳平)を連れ、愛海が見つかった公園にやってきた。すると、そこでひとりの男(坂口憲二)とぶつかった。男は、落とした買い物袋を拾うと、無言で立ち去った。
一方、黒原理香(成海璃子)の調べで凶器のナイフが、軍隊などで使用されるものだと判明。絵里子は、外国人を含めた入国者と、軍隊や傭兵訓練を受けた者を調べるよう指示した。
同じ頃、田所幸子(長谷川京子)は、どこかへ電話をかけていた。
そんなとき、中年男性が刺殺、手口から夫婦殺害と同一犯による犯行だと推定された。さらに、最近の入国者リストのなかに、海外の傭兵部隊を除隊した真崎正吾という男がいると発覚。真崎は、絵里子が公園でぶつかったあの男だった。
さらに、3人目の被害者が出た。殺害された中年男性は5人のボディーガードを連れていたが、あっけなく殺害。男性は真崎に襲われることを予期してボディーガードを付けていたことから、絵里子らは、殺害のターゲットが定められていること、犯行には目的があることを確認した。
その後、理香の調べで、30年前に新潟で起こった一家惨殺事件で、ひとり生き残った少年が真崎なのでは、との推測がされた。事件が未解決のまま時効を迎えているため、真崎は、その実行犯とされる3人の男を殺害した可能性が高まった。3人を殺害し復讐は果たされたかに思われたが、真崎はあとひとりの殺人を予告していた。そのひとりとは愛海なのでは、と、絵里子らに緊張が走るなか、公園で岩井と遊んでいた愛海が行方不明になった。目撃証言から、愛海は真崎といるらしいことが判明、岩井は責任を感じる。
やがて、野立の尽力で一家惨殺の実行犯3人を束ねていた塩田(隆大介)という男の存在が浮上。塩田はその後、別の事件で刑務所に入り、今日出所予定だという。絵里子は、真崎が狙う最後のひとりは塩田だと確信、刑務所を出た塩田が帰る自宅へと急行したが、すでに塩田は連れ去られた後だった。
その頃、真崎は塩田を倉庫に連れ込みナイフで切り付けていた。塩田は、自分は悪くないと弁明するが、真崎は聞く耳を持たず、ナイフをふりかざそうとした――。その瞬間、絵里子がそれを制止した。絵里子は、真崎に家族を殺された悲しみ、苦しみは計り知れないが生き残った命を復讐のために使うのは間違っている、と語りかけた。しかし、復讐のためだけに生きてきた真崎には響かない。真崎は、再びナイフを振り抜こうとしたとき、愛海が駆け込んできた。愛海は、拳銃を構える絵里子に、「おじちゃんをいじめないで」と真崎の擁護を訴えた。真崎は、両親に虐待され辛い思いしていた愛海にたびたび優しく接していたのだ。それを知る愛海は、真崎をいじめるな、と涙ながらに懇願した。動揺した真崎は、愛海を連れていけと怒鳴るが、結局、ナイフを捨ててしまった。
事件解決後、片桐は、付き合いはじめた藤森楓(木南晴夏)を家まで送り届けた。しかし、キスをしてしまった責任を取らねば、と思いつめる片桐は、楓の部屋の呼び鈴を鳴らし、ドアが開いた瞬間に結婚を申し込んだ。ところが、そこには男性の姿があり…。
一方、絵里子は、神妙な面持ちで野立の部屋をノックした。部屋に入った絵里子が見たのは、野立の前に立つ真実だった。懐かしいその姿を認めた絵里子は、「おかえり」と微笑んだ。 |