大澤絵里子(天海祐希)は、野立信次郎(竹野内豊)に言われ、検視官の石川啓太(谷原章介)というイケメンと見合いをすることになった。最初は渋々だった絵里子も、スマートで仕事熱心な石川に恋心を抱きはじめる。
そんな折、28歳の女性が殺害された。遺体は花びらで覆われ、額には血で押された拇印が残るという猟奇的な事件だった。絵里子が片桐琢磨(玉山鉄二)、山村啓輔(温水洋一)と現場に入ると、検視官として働く石川の姿があった。挨拶を交わした絵里子と石川は、今回の事件が5年前、「エンジェルキラー」と名乗る人物が犯した3件の連続殺人の手口に似ている、と確認し合う。
絵里子は、片桐、山村、花形一平(溝端淳平)、岩井善治(ケンドーコバヤシ)、田所幸子(長谷川京子)らに、今回もエンジェルキラーの犯行の可能性が高いと示唆。また、遺体を縛ったロープの結び目が5年前より弱くなっていることから、犯人の力が衰えているのではないか、とも推測した。
そんななか、30代の女性が同じ手口で殺害された。現場に向かった絵里子は、再び石川と合流。その後、絵里子の招きで石川が事件の詳細を説明しに対策室にやってきた。石川も、ロープの結び目の違いに着目。絵里子の推測通り、今回の2件は結び目が弱まっていると言い、犯人は右手にケガを負っているか、脳梗塞などの後遺症で不自由になっている可能性が高いと話した。
その後、容疑者として吉野純一郎(竹中直人)という解剖医が浮上。吉野は、5年前の事件の被害者を解剖した人物で、5年前に脳梗塞を患い右半身が不自由になっているうえ、目撃証言とも特徴が一致した。
絵里子は、吉野が勤める大学を訪ね、今回の事件時のアリバイを聞くが、それは証明されず、吉野も何かを隠しているようだった。するとそこへ、石川がやってきた。吉野に師事していた石川は、自分が吉野の無実を証明してみせる、と絵里子に力説。事実、吉野と犯人の指紋は一致しなかった。
絵里子は、5人の被害者の額に押された拇印が、指紋は同じだが押された面積が違うことから、犯人は2人いると推測。最初の3人と、残りの2人を殺害した人物は別だと言う。指紋が同じなのは、2人目の犯人が最初の犯人を殺害し指を切断、その指で拇印を押したからだと説明。切断された指は死後硬直で曲がらなかったため、押せる面積に違いが出たのだろう、と話した。
そして、黒原理香(成海璃子)が、金子という男性が指が切断された遺体で発見されていたことを突き止めた。絵里子は、最初の3件が金子で、残り2件が模倣犯の犯行だと推測。対策室の面々は、吉野が模倣犯だろう、と色めき立つが、絵里子は吉野の周辺から指が出ないことには断定できないと慎重な姿勢を示した。そんななか、吉野が行方不明であることが発覚。
同じ頃、石川からデートの誘いを受けた絵里子は、食事を終え、夜道を歩いていた。すると、石川が飲み物を買いに行くと言って、その場を離れた。絵里子がひとり待っていると、背後から誰かが忍び寄りスタンガンを当て、絵里子は倒れてしまう。
目を覚ました絵里子は、両手を縛られ、地下室に寝かされていた。そして、そこに石川がやってきた。石川は、初めて絵里子を見たときから、絵里子を殺害することを決めていたと告白。一酸化中毒で美しく殺してやる、と言うとガスボンベを開栓し、その場を立ち去った。そして、数時間後、地下室に戻った石川は、倒れている絵里子を恍惚の表情で見つめると、切断した指を取り出し絵里子の額に捺印を押そうとした――その瞬間、絵里子がパッと目を開け、これを捜していたのだ、と石川の腕を掴んだ。
死体愛好家の石川は、最初は解剖医の道を選んだが、その後、解剖医よりも先に遺体に触れられる検視官に転身。検死官を天職だと感じていたが、金子が殺害した女性たちの美しい遺体を見て共鳴、その後、金子を殺害し模倣犯となったのだ。
さらに、ロープに細工をするなど工作をして、捜査の目を吉野に向けさせた。吉野は、石川の犯行に気付き独自に捜査をしていたが、それを石川に見つかり殺害されたのだ。絵里子によって、すべてが白日の下にさらされた石川は、あっさりと犯行を自供した。
事件解決の夜、絵里子は、いつものように野立とバーにいた。 |