大切なことはすべて君が教えてくれた

第10話のストーリー
 2学期の終業式を終えた夏実(戸田恵梨香)と修二(三浦春馬)は、明日会って話をしようと約束する。お互いに、自分の思いを伝えようと思って…。
 その夜、駅でひかり(武井咲)の姿を見かけた修二は、彼女がひとりで旅行に行くことを知り、ホームまで見送りに行く。電車の扉が閉まる前、ひかりは修二に、「さようなら」と告げた。その言葉を聞いた修二は、違う、と返すと、とっさに車内に体を滑り込ませて乗り込んでしまう。「帰ってくる人は、さよならなんて言わない」。修二は、そうひかりに言った――。

 夏実に電話をした修二は、ひかりと一緒に電車に乗ってしまったことを伝えた。修二の思いを理解し、気持ちが通じ合っていることを確信する夏実。その話を聞いたさやか(篠田麻里子)は、信頼もそこまでいくと鈍感に見える、と夏実をからかった。
 夏実は、ひかりの母・由梨(宮本裕子)と亜弥(内田有紀)に、修二がひかりと一緒にいることを伝える。由梨は、非常識だと修二の行動を非難した。夏実は、そんな由梨に、修二は由梨の辛い気持も理解したからこそ代わりに行ったのかもしれない、と告げた。

 夏実が帰宅すると、マンションの前で直輝(菅田将暉)が待っていた。夏実に恋している直輝は、改めて、修二のどこがいいのか、と切り出した。すると夏実は、他にもっといい男性がいると思う、と言いながら、それでも修二の隣にいるのは自分でなければ嫌だと続けた。その言葉を聞いた直輝は、自分の思いを抑えて、夏実に別れを告げる。

 修二たちは、途中の駅から乗り込んできた津島(尾藤イサオ)と出会う。津島は、すでに酔っており、陽気に修二たちに話しかけた。偶然キャンセルが出たという修二のチケットは、実は津島の妻の分だった。

 夏実の言葉を思い出した亜弥は、娘の美桜(三吉彩花)に電話をした。美桜は、亜弥がどんな思いで電話をしてきたか察していたが、自分は家族と幸せに暮らしている、とだけ告げて電話を切ってしまう。

 津島は、修二にも酒を勧め、陽気に飲んでいた。が、実は、彼の妻は、病気で余命いくばくもないのだという。「本当はふたりで来たかったんだけど、これなくてね」。津島は、そう修二に告げた。津島は、妻に頼まれて、写真を撮る、と修二に話す。人は、キレイなものを誰かと一緒に見たいと思うが、見たことより、そういう相手が隣にいることが幸せだったりする――津島の言葉に、修二は夏実のことを思い出していた。

 修二は、ひかりを札幌まで送ってから夏実の元に向かうつもりでいた。ひかりは、そんな修二の思いを受け止め、今日の思い出だけで一生ひとりでも生きていける、と修二に告げる。すると修二は、自分との思い出なんかを大事にしてはいけない、哀しい思い出に浸って自分を甘やかしてはダメだ、と返した。「もっとちゃんと愛して、愛される人に出会わなきゃダメだ」と…。夜が明け、函館駅が近づいていた。ひかりは、美しい空を見つめ、修二のことは忘れる、と告げると、忘れるための旅はひとりで行くから、次の駅で降りて、と頼んだ。

 別れ際、修二は、自分を変えてくれたひかりのことは忘れない、君に会えてよかった、と言って電車を降りた。ひかりは、そんな修二に、「行ってきます!」と告げ…。

 目的地に到着したひかりは、父親の正則(神保悟志)と由梨の姿に気づく。ふたりは、ひかりを迎えに来たのだ。その姿を見たひかりの顔に笑顔が浮かんだ。

 直輝は、バスケ部の練習に出たものの、ひどく落ち込んでいた。そんな直輝を励ましたのは涼子(広瀬アリス)だった。

 望未(剛力彩芽)は、タンザニアまでヌーを見に行く、と中西(西村雅彦)や教頭の鶴岡(風間杜夫)に話す。中西は、「お前ぐらいのときは、多少ケガしたってすぐ治る。治るうちにいっぱいケガしてこい」と望未に告げた。

 賢太郎(中島健人)は、ひかりからメールをもらって大喜びしていた。ひかりからのメールを見せられた望未は、気持ちを込めて返事を送れ、と賢太郎に言った。

 そのころ修二は、夏実のもとに向かうため、函館空港にいた。搭乗手続きを終えた修二は、一瞬、夏実らしき女性の姿を見かける。修二は、夏実の携帯電話に連絡した。すると電話に出たのはさやかだった。夏実は携帯を家に忘れて出かけているらしい。そのとき修二は、夏実の姿を見つける。が、夏実はふいにお腹を押さえて倒れこんでしまう。修二は、ゲートを飛び出して、夏実の元へと駆けつけた。

 夏実は、病院に収容された。幸い、母子ともに無事だった。病室で修二は、夏実に自分の思いを伝えた。「俺はこの子が生まれる時、君の一番近くにいて、誰よりも喜んであげたい。この先、君やこの子に何か…あってもなくても、君を支えるのは俺でありたい」。修二は、そう夏実に告げて、改めてプロポーズした。夏実の目から涙が溢れた。

 春。中西は、3年になった生徒たちに、望未から絵ハガキが届いた、と自慢していた。

 さやかは、夏実たちから、再び結婚式のキャンセルを申し込まれ、憤慨していた。夏実たちは、生まれた娘と一緒に結婚式をやりたい、というのだ。さやかは、こうなったら意地でもふたりの結婚式をやってみせる、とつぶやいた。

 亜弥は、いつもように病院で仕事をしていた。するとそこに、突然、娘の美桜が現れる。亜弥は涙を堪えながら美桜に笑顔を見せた。

 夏実と修二は、生まれてきた娘とともに新しい生活をスタートさせていた。仕事の帰り、修二は、街中でひかりの姿を見かける。ひかりは、携帯電話で母と話しており、修二には気づかなかった。

 夏実と修二は、一緒に桜を見に行く。もう何があっても、世界中で一番大事な人が隣にいれば大丈夫――夏実も修二も、そう確信していた。

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