大切なことはすべて君が教えてくれた

第8話のストーリー
 夏実(戸田恵梨香)と修二(三浦春馬)の双方の両親が上村家で会った。夏実の父・克実(新井康弘)は、土下座して謝罪しようとする修二の父・博一(春海四方)を制し、修二のことを応援してあげてほしいと話す。その際、博一たちは、夏実がある男性と交際していることを教えられた。相手の男性は、夏実が妊娠していることも了解済みなのだという。兄の孝一(新井浩文)からそのことを聞かされた修二は、複雑な心境だった。

 修二に電話した夏実は、交際相手のことに触れ、迷っている、と打ち明けた。その相手のことを好きかどうかもまだわからないが、一緒にいると落ち着くのだという。

 その夜、夏実は、さやか(篠田麻里子)とともに、有悟(福士誠治)と食事する。さやかを全力でもてなして外堀を埋めるつもりだ、と堂々と言う有悟。さやかは、そんな有悟が夏実に対して真剣な気持ちであることを感じ取る。

 一方、ひかり(武井咲)は、修二から「君を女として見ることはない」と言われ、沈んでいた。ある日、ひかりは、母・由梨(宮本裕子)が家を手放すつもりでいることを知る。環境が変われば、事故でこの世を去ったひかりの姉・ゆかりのことを思い出さずに生きていける、というのだ。続けて由梨は、4年間十分悲しんだのだから、忘れるときがきた、とひかりに告げた。その後、亜弥(内田有紀)に電話をしたひかりは、姉の命日に、事故で行けなくなったあのときの旅の続きがしたい、と打ち明ける。

 明稜学園高校の2年生たちは進路指導を受けることになっていた。修二も、2年1組の生徒と個別面談を行い、進路に関するアドバイスをする。修二の進路指導は的確だという定評があった。
 そんな折、英語準備室を訪れた直輝(菅田将暉)は、夏実のバッグから落ちた母子手帳を見てしまう。それがきっかけで、夏実が結婚もせずに子どもを産もうとしていることが公になり、保護者からは非難の電話が相次いだ。鶴岡教頭(風間杜夫)は、理事長からの通達を受け、責任をとって依頼退職することが修二にとっても一番いい形ではないか、と告げた。

 ほどなく、修二の処分を決める理事会が開かれた。その席で修二は、辞表は出さない、と主張する。謹慎処分を受けた時、生徒たちの成長を見てあげられなかったから、今度は軽蔑されても彼らの側にいたい、という思いからだった。自分から辞めて責任を取った、という形ではなく、罰を与えるなら解雇してほしい――修二は、そういって理事たちに頭を下げた。鶴岡は、そんな修二の思いを受け止め、彼に解雇を告げた。

 修二が理科準備室で片づけをしていると、そこにひかりがやってきた。ひかりは、責任を感じ、修二に謝った。すると修二は、謝るのは自分の方だと返す。ひかりをひとりにしない、と言いながら、結局何もできずに余計に傷つけてしまった、と。ひかりは、涙がこぼれ落ちそうになるのをこらえながら、修二に笑顔を見せた。辛い時は笑っていろ、と望未(剛力彩芽)に言われたから、と…。

 修二が帰宅すると、マンションの前で夏実が待っていた。夏実は、本気で教師を続けるべきだと思ったが何の抵抗もできなかった、とへこむ修二に、出会ってから今日まででいまの修二が一番カッコいい、と返した。修二は、そんな夏実に、今回のことで教師がどういうものかわかってよかったが、ひとつだけ後悔していることがある、と告げた。「夏実がいる。それだけでよかったんだ。こんな簡単なことに、どうして気づかなかったんだろう」と。そのとき、夏実の携帯電話が鳴った。有悟からだった。

 修二と別れた夏実は、有悟に会った。そこで夏実は、どうしようもなく側にいたいと思う人がいる、と有悟に告げた。その人は、すべてを失ったが、全部なくしたあとに愛だけが残っている。自分が選ぶのは、愛だけが残る人生なのかもしれない、と。

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