大切なことはすべて君が教えてくれた

第7話のストーリー
 夏実(戸田恵梨香)は、教頭の鶴岡(風間杜夫)をはじめとする同僚教師たちに、妊娠していること、そして、修二(三浦春馬)とは結婚せずシングルマザーになることを報告する。同僚たちは、父親になりたいが資格がない、などと煮え切らない態度を見せる修二に対し、教師としての自覚はあるのか、と怒りをぶつけた。そんな彼らに、修二が妊娠を知ったのは昨日のことだと打ち明ける夏実。鶴岡は困惑しながらも、生徒たちには妊娠していることを明かさないで、健康上の理由で休職すると伝えることを決める。合わせて鶴岡は、修二に対し、いままで通り教師を続けてその責任を現場で感じるよう命じた。

 放課後、修二は、ひかり(武井咲)から進路希望に関する相談を受ける。転校先の学校はエスカレーター式に大学に行けるのだという。修二は、10年後に何をしていたいか書いてみればいい、と助言した。別れ際、ひかりは、教師になりたいと書いたのか、と修二に問いかけた。

 英語準備室を訪れた修二は、改めて夏実に、父親になれないかと尋ねる。しかし夏実の返事は同じだった。夏実は、求められることを察してその通りにやるのではなく、いま何がしたいのか、と逆に修二に問いかけた。修二は、一瞬ためらいながらも、ひかりをひとりにしたくない、と答え…。

 実家を訪れた修二は、博一(春海四方)と育子(見谷悦代)に、夏実の件を伝えた。博一も育子も動揺を隠せなかった。そんな博一たちに、孝一(新井浩文)は、いままで修二は親に迷惑をかけたことがないのだから、とにかく一緒に行って謝ってやれよ、と声をかけた。

 同じころ、夏実は、圭子(朝加真由美)から、結婚前に夏実を妊娠していたことを聞かされる。克実(新井康弘)や圭子が、夏実の妊娠を知ったのは3ヵ月ほど前のことだった。夏実は、克実たちに誘われて、海外生活をしていたころに知り合った山下一家と食事をした。夏実を、山下家の息子で独身の商社マン・有悟(福士誠治)と引き合わせるためだった。その席で夏実は、いきなり妊娠していることを告白したのだ。克実と圭子は、驚きを隠せなかったが、いまはそんな夏実を全力で支える決意をしていた。

 一方、望未(剛力彩芽)は、ひかりが2学期いっぱいで転校することを知る。新しい場所に行けることは良いと思う、とひかりに言った望未は、その言葉に自らもきっかけを得て、自主退学を決意する。進路調査表を見てそれを知った修二は、中西(西村雅彦)に相談した。修二とともに望未のアルバイト先を訪れた中西は、外国に行ってみたい、という彼女の思いを知り、行きたい国を決めて資金を貯めたら後は一緒に考えてやる、と助言する。

 駿陽大学附属病院を訪れたひかりは、亜弥(内田有紀)と夏実が電話で話しているのを偶然聞いてしまい、夏実の妊娠を知ってしまう。あくる日、ひかりは、修二にそのことを切り出した。修二は、夏実が自分の子を宿していること、シングルマザーになることをひかりに打ち明ける。動揺したひかりは、夏実が隠していることを、何故生徒である自分にばらしたのか、と噛みついた。すると修二は、「君には言える」と返す。ひかりは、最低だ、と吐き捨ててその場を去った。
 その日、ひかりは、教室に行こうとはせず、ずっと保健室にいた。昼休み、保健室に賢太郎(中島健人)がやってくる。ひかりが転校することを知った賢太郎は、彼女への思いを告白した。しかしひかりは、修二に対する複雑な思いも重なって、同情や妥協の気持ちならいらない、と賢太郎に言ってしまう。

 放課後、ひかりは、夏実のもとを訪れた。妊娠について、修二が自分だけに話してくれたのは嬉しかったが、苦しくなってここに来たのではないか、と夏実に見抜かれるひかり。夏実は、あなたに感謝している、とひかりに告げた。ひかりがいたから修二は逃げ出さずに、もう一度教師として頑張っているからだという。ひかりは、「ずるい」と返した。修二のことをわかっていて、子どもまで産む夏実に敵うわけがない、と。すると夏実は、子どもが産めなくても修二を思うその気持ちが女である証拠だと思う、と告げる。その言葉に打たれたひかりは、修二のことを好きになってもいいか、と夏実に問いかけた。夏実は何も答えられなかった。

 さやか(篠田麻里子)の店を訪れた夏実は、ひかりのことを話し、彼女に自分の思いを吐露する。さやかは、そんな夏実に、自分も修二に未練があったが、彼の中には夏実しかいないことがわかったから断ち切れた、と返す。そのとき、夏実の携帯電話に有悟から電話が入った。夏実を食事に誘った有悟は、その席で、交際を申し込んだ。有悟は、婚約者がいたが、子どもを作る能力が低いことが原因でダメになってしまったことを夏実に告白した。だから、夏実の妊娠を知ったとき、運命を感じたのだという。大抵の人は打算で結婚するが、そこに少しの愛があれば愛だけの結婚より幸せになれる、と有悟。愛しかない結婚は愛が冷めたときに何も残らない――そんな有悟の言葉が、夏実の心に突き刺さった。

 あくる朝、修二は、保健室までひかりを迎えに行く。そこでひかりは、少しでも好きでいてくれる気持ちがあるのなら生徒としてではなく女として見てほしい、と修二に告げる。

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