大切なことはすべて君が教えてくれた

第5話のストーリー
 登校した夏実(戸田恵梨香)は、修二(三浦春馬)が生徒たちから罵倒されている光景を目の当たりにする。修二がひかり(武井咲)と一夜をともにしたことが公になった翌朝のことだった。たまらず飛び出した夏実は、修二をかばった。だが生徒たちは、何故夏実が修二をかばうのか、と非難の目を向ける。修二は、夏実を傷つけるのは止めてほしい、と頼んだ。そんな修二に、生徒のひとりは、「一番傷つけているのはあんただろう」と言い放った。

 教頭の鶴岡(風間杜夫)は、処分を含め、対応が決定するまでは学校に来るよう修二に指示する。修二のことを良く知る鶴岡は、何か事情があったのではないか、と彼に尋ねた。しかし修二は、ひかりの気持ちを弄んで関係を持った、と答えるだけだった。
 学年主任の中西(西村雅彦)は修二に代わって2年1組のホームルームに出る。ひかりは欠席していた。そこで中西は、今回の一件にショックを受けているとしながらも、後から聞いた言葉だけで判断するよりも、いままで自分が見てきた修二のことを信じたいと思う、と皆に話す。

 放課後、帰宅しようとしていた修二の前に、夏実がやってくる。そこで夏実は、あの夜、本当は何があったのか、と問い質す。しかし、そこでも修二は、ひかりと関係を持ったことは事実だ、と返すだけだった。
 自分自身の手で真相を確かめようと思った夏実は、修二の実家・柏木酒店に向かった。修二の兄・孝一(新井浩文)に会って、あの日の夜、修二に何かあったか確かめるためだった。そこで孝一は、修二が何をしたのか教えてほしい、という交換条件を出し、あの日起きた出来事を話し始める。母・育子(三谷悦代)に暴力を振るったこと、それが修二に対する嫉妬からだったことを…。「お前が憎い」。孝一は、そう修二に言ったのだという。修二に何かあったのなら助けてやりたいし、償いたいという孝一の言葉に、夏実は、修二が生徒と関係を持っていたことを告げた。すると孝一は笑いだし、いま凄くホッとしている、などと言い出す。

 夏実は、ひかりに会うために、彼女が通院している駿陽大学附属病院を訪れる。ところがその際、夏実は急に体調が悪くなり、話を聞くことができなかった。看護師の亜弥(内田有紀)は、一度診察に来てほしいと夏実に告げた。

 あくる朝、ひかりは、母・由梨(宮本裕子)の制止を振り切って登校する。そこでひかりが目にしたのは、職員室に押しかけた生徒たちに囲まれた修二の姿だった。

 ひかりは、すべてを話し始めた。薬を飲まないと女性としての機能を維持できないこと、誰からも愛されていた姉・ゆかりの死がきっかけで両親が離婚することになったことを。父親の正則(神保悟志)が家を出たあの夜、ひかりは、姉の服を着て夜の街に飛び出した。そこでアルバイト中だった望未(剛力彩芽)に出会い、メイクをしてもらったひかりは、偶然知り合った男性と食事をした後、そのまま関係を持ったのだという。その後、嫌悪感にさいなまれながら街をさまよい、疲れ果てたひかりは、ふと立ち寄ったバーで奇跡的に修二と出会ったのだ。
 ひかりは、泥酔している修二を家まで送り届けた。服を脱ぎ捨ててベッドに倒れこんだ修二の背中を見つめていたひかりは、関係を持ってしまった見ず知らずの男の肌の匂いを思い出し、それを消したくて修二の腕の中に潜り込んだのという。写真を撮ったのは、『証』が欲しかったからだ、とひかりは言った。「ごめんなさい。全部私が壊した…」。ひかりは、涙を流しながらそう言って皆に頭を下げた。

 夕方、夏実は、正門の前で修二を待っていた。やってきた修二に微笑みかける夏実。しかし修二は、固い表情で、自分の側にはいつも夏実がいてくれたが、ひかりには誰かいるのか、と言い出す。もしいるとしたら、それは自分ではないのか――修二は、夏実にそう告げた。

 あくる朝、夏実は、さやか(篠田麻里子)とのもとを訪れ、結婚式のキャンセルを依頼する。一方、正門の前でひかりを待っていた修二は、生徒たちの好奇の目にさらされながら登校してきた彼女に歩み寄り、声をかけた。

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