冬のサクラ

第9話のストーリー
 萌奈美(今井美樹)の意識がやっと戻り安堵する祐(草g剛)だったが、担当医より、春を迎えるのは難しいと告げられる。あとは、萌奈美に生きる希望を持たせること…。肇(佐藤健)からも「兄ちゃんなら何か見つけられる」と励まされ、祐は萌奈美のために自分が出来ることを探し始める。

 そんなある日、東京から義母の章子(江波杏子)と琴音(森迫永依)が見舞いに訪れた。章子は、航一(高嶋政伸)がしてきたことを謝罪し、これからは出来る限りのことをすると約束してくれた。だが、言葉の意味を理解できなくなる「失語症」の症状が出てきている萌奈美は、琴音に病状を知られるのが怖くて電話も出来なくなっていると章子に漏らす。

 気が抜けたようになった航一は、ヨリを戻そうと迫る理恵(白羽ゆり)に突然刺され、緊急手術を受けることに。しかし、航一の血液型が日本に数十人しかいないもので、血液の確保が困難な状態。焦る中、医師の木村(菊池均也)があることを思い出し、職員のデータベースから同じ血液を探し当てた。それはなんと肇だった。急遽呼び戻された肇。章子から助けてくださいと頼まれる。

 肇の輸血のおかげで、航一の手術は成功した。麻酔から目を覚ました航一に「求めるだけじゃなく、許すのも夫婦です」と章子。それから数日後、退院した航一は山形で入院生活を送る萌奈美の元を訪ね、萌奈美を追い詰めてしまったことを詫び、琴音を萌奈美の分まで愛していくことを約束して、萌奈美に別れを告げるのだった。

 一方の祐は、残された時間を少しでも安らかに過ごして欲しいという想いから、退院して山形の家で療養しようと、萌奈美に提案する。その数日後、祐の家で過ごすようになった萌奈美に会うため、東京から肇と安奈(加藤ローサ)、琴音がやってきた。それは、祐が肇に頼んでのことだった。琴音は萌奈美が作ったレシピノートを出し、萌奈美のために涙をこらえながら料理を作る。愛情たっぷりの食卓をみんなで囲み、あの桜を一緒に見に行くことを約束する。

 ある日肇は航一に呼び出された。それは病院に復帰しないかとのことだった。これからは患者の為に生きていきたいという航一に、肇は考えさせて欲しいと伝える。

 その後日、萌奈美は祐に「あなたはあなたの為に生きてください。私にそう言ったように。」と言い、意識を失った。医師によるともう意識は戻らないかもしれないと。必死で看病を続ける祐に、萌奈美は意識を取り戻し、祐に感謝の気持ちを伝え、息を引き取った。

 萌奈美の葬儀で、航一は祐にありがとうと伝えた。肇はそれを見て病院に復帰することを決める。

 数日後、祐に連絡がつかなくなる。心配した肇は祐の家に駆けつけた。ほどなくして祐は戻ってきた。心配させるなと怒る肇に、祐は思い出の桜の木の下で考えていたとのこと。
 
 肇は萌奈美が眺めていたアルバムに一枚はみ出した写真を見つける。その裏には、「祐さん、私はあなたを愛しています」と書かれていた。

 
TOPに戻る