外交官・黒田康作

第9話のストーリー
黒田康作(織田裕二)は、斉藤修助外務大臣(近藤正臣)に外交会議会場控え室で、矢田部誠一郎元内閣総理大臣(平泉成)を人質にした霜村毅(香川照之)の説得をさせて欲しいと頼む。会場は観上祥子外務副大臣(草刈民代)に銃を突きつけた悠木圭一(萩原聖人)と佐々木藍子(片瀬那奈)が占拠していた。

一方、大垣利香子(柴咲コウ)と瑠衣(夏帆)は、病院に運ばれた君島祐太朗(西島隆弘)に付き添っていた。瑠衣は、自分のせいで祐太朗の病状を悪化させてしまったと責任を感じている。

霜村は危険性が明白だったアトロン輸入の認可をした矢田部の責任を追及し、公にするよう迫っていた。さらに、霜村は11年前の日本大使館立てこもり事件での妻・倫世(紺野まひる)の死因を隠蔽したのも矢田部ではなかったのかと追及する。だが、矢田部は輸入認可への関与は認めたものの、倫世については知らないと言い張った。

霜村が矢田部を会場に連れて行こうとした時、ようやく斉藤から許可を得た黒田は説得を開始する。黒田は、ロサンゼルスで霜村に再会したことへの疑問。湊教授、柏田、吉村社長殺害は、霜村が最初から意図したものではなかっただろうと推測。全ては祐太朗が誤って湊教授を殺害し、それを柏田に目撃されたことで、平和に解決しようとしていたアトロン薬害への抵抗が暴力に変わってしまったと話す。また、暴力による解決は圭一が望んだことだと続けた。

霜村は否定しなかった。だが、霜村にとってアトロンを追及する理由は薬害の被害者としてではない。実は、霜村は11年前にアトロンの効用を後押ししていたのだ。薬の行き届かない地域でブライトンの治験施設に、子供たちを送り込んでいた。当時の霜村は、子供たちのことを考えてのことだったが、後に薬害を生んでしまった。さらに、妻、倫世は立てこもり事件の前日、霜村に離婚を迫っていた。倫世はアトロンの副作用を知り、その事実を追及するため、ブライトンの薬を勧める霜村と闘うことになるのを避けるため離婚を申し出たのだ。

黒田は、贖罪や復讐のための殺人は擁護できないと霜村を説得し、自首を促す。その必死さに、霜村も突きつけていた銃を降ろそうとした時、銃声がとどろいた。会議場に潜入したSATが霜村と、圭一を打ち抜いたのだ。慌てて霜村に駆け寄る黒田。そこに、利香子もやって来た。だが、霜村は黒田の腕の中で息を引き取ってしまう。

黒田は自分の説得が終わるまで、警察を動かさないで欲しいと斉藤大臣に頼んでいた。しかし、テロリストとは言え、霜村、圭一の2人が亡くなった。怒る黒田は斉藤に詰め寄る。
TOPに戻る