瀬川里央(松下奈緒)が、南雲準(藤木直人)の指示でつかまえた男・沼田(ムロツヨシ)が持っていたキャリーケースには新聞紙しか入っていなかった。同じ頃、人質の安斉千尋(奥村佳恵)を救出した寺西景(横山裕)と江藤真人(与座嘉秋)は犯人の1人であると思われる男の死体と直面していた。
沼田は、小板橋正次(勝村政信)の追求にキャリーケースは店を出てすぐにすれ違った青いトラックに渡したと自供。一方、南雲は元妻子の無事を確認すると脅迫されたいきさつや発信機を付けられていたことをみんなに話す。南雲は犯人からの指示でキャリーケースを途中ですり替え、すれ違いざまにメモで里央にそれを報告。メモを受け取った里央がキャリーケースを持った沼田を追跡していたのだった。
そんな中、沼田の証言にあった青いトラックが地下駐車場で発見された。盗難届が出ていた車両であることが判明したが、南雲はほぼ同じ場所に居た里央が青いトラックを目撃していないことを不審に思う。そこで捜査課に安斉昭典(陣内孝則)が怒鳴り込んできた。秘書の山根(袴田吉彦)の制止を振り切り、渡した身代金の心配をする安斉。杉浦幸造(泉谷しげる)が廃工場で死んでいた男の顔写真を見せると、その男は2カ月前にリストラで会社を辞めさせられた黒岩健二(阿部亮平)であることが山根の証言でわかった。
駐車場の青いトラックの近くには犯行時間後の時間が記録された駐車券と車のキーが捨てられ、中に残されていたキャリーケースの中身は空だった。沼田にトラック発見の事実を告げると、自分の証言通りだからこれで疑いが晴れたと言葉では喜びながらも一瞬驚いた表情を浮かべたのを南雲は見逃さなかった。一方、病院の千尋から南雲に話したいことがあると連絡が入る。南雲は千尋に会うなり、千尋と黒岩が知り合いだったことを言い当てた。千尋は、誘拐はリストラされた黒岩と、仕事ばかりの父親の愛情確認をしたかった千尋が企てた狂言だったことを告白。しかし拘束されたことや黒岩が殺されたことは予定外で、怯える千尋。
捜査課に戻り、千尋の証言を報告する南雲。そこへ大井町署の藤本俊昭(半海一晃)がやってきた。里央の父親を殺した犯人の指紋が書店で検出された件で、新たな雑誌から指紋が採取されたのだ。しかし、里央は資料を受け取るのみで、殺人事件に集中するように務める。
その頃、寺西らは安斉の会社をリストラされ通信機器を扱う会社に勤めている武井の存在を突き止める。武井は事件発生時に会社を辞めていたことなど疑わしいことから、つかまえるために里央と南雲は武井の自宅へ行くが、武井は風呂場で死んでいた。死体を発見した里央の様子から、南雲は沼田に違和感を覚えた理由がわかった。沼田は実際には青いトラックは見ておらず証言だけを頼まれていたのに、本当にトラックが発見されたから驚いたのだ。つまりキャリーケースはすり替えていないことになり、犯人を察した南雲。
安斉と山根が捜査課に呼び出された。杉浦が話すこれまでの経緯も聞き流し、お金の心配ばかりする安斉に、山根は警察に協力するようにとお願いをする。そこへ里央や南雲が入ってきた。南雲は、最初から青いトラックが存在しないとなるとキャリーケースのお金を奪えた犯人は1人しかいないと、山根を示す。山根は最初にトランクにしまった時点でキャリーケースをすり替えていて、1億円は自宅ガレージからすでに発見されていた。それを聞き観念した山根は、安斉の強引な経営方針についていけず反発心から事件を起こしたことを自供した。信頼していた山根の言葉にショックを受け、自分には味方がいないとがく然としている安斉に、里央は千尋は味方だと告げる。
一方、里央の父親の事件は、雑誌から出た指紋の分析と監視カメラの映像で、犯人は鉄加工工場で働く人魚のピアスをしている男であることが判明。里央は捜査課で扱う事件でないことから、犯人追求のため大井署への出向を小板橋に申し出るが即刻却下され、捜査課でこの事件の捜査を引き継ぐことになったと告げる。全員協力して捜査に当たる中、里央と寺西はある工場で運搬業者の男が人魚のピアスをしているのを発見。里央が警察を名乗ると男は寺西の太ももをナイフで刺して逃走。追いかけた里央は格闘の末、男を自らの手で手錠をかけた。
後日。南雲は、父親を殺した犯人を逮捕するという大きな目的を達成した里央の、その後の虚脱感を心配していたが、大学にやってきた里央はいつものように元気だ。事件発生の知らせを受けて飛び出す里央に引っ張られて南雲も駆け出した。
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