殺人事件現場となった家にやってきた瀬川里央(松下奈緒)。被害者は帰宅時に窃盗犯と遭遇。乱闘中に突き飛ばされた弾みで庭石に頭を強打したのが致命傷となり死亡した。窃盗事件は立て続けに起きていて、これが4件目だった。どれも職人技ともいえる巧妙なガラス切り技術が使われていて、所轄の刑事から容疑者は窃盗の前科者で1年前に出所している塚原洋二(柏原崇)だと教えられる。しかし、寺西景(横山裕)は塚原再犯説を強く否定する。
6年前、窃盗を続けていた塚原を逮捕したのは警官の寺西だった。任意同行を求め塚原の元へ向かう途中、寺西は里央に6年前に塚原を捕まえたときに言われた「やっと盗みがやめられる。ありがとう」という言葉を信じていると話す。
塚原は犯行をきっぱりと否定。すっかり塚原を信じている寺西の言動に驚く里央だが、その後に会った保護司の蓑田和夫(小野武彦)もやはり更正して真面目に働いているという。寺西と蓑田は、塚原が真面目に働いて社会復帰できたら別れた妻子とよりが戻せると、出所から1年間必死で頑張って過ごしてきたことを知っていたのだ。妻子と再会する日は翌日で、改めて塚原の無実を信じる寺西。
分室で一部始終を南雲準(藤木直人)に報告する里央。南雲は、客観性を失っている寺西を心配する。また、その影響で塚原は犯人じゃないと思いかけている里央に「騙されてはいけない」と言葉を残す。その後、塚原が犯人の可能性を疑う里央に寺西は怒りをあらわにする。捜査会議でも塚原が犯人である可能性が提示されるが寺西は潔白だと言い張る。そんな中、話したいことがあると塚原が蓑田と一緒に捜査課へやってきた。塚原は事件当日、一晩中同僚の長谷川と一緒にいたためアリバイがあると訴える。喜ぶ寺西だが、南雲はその表情から敵意を読み取った。長谷川から一緒にいたとの証言も得られたため塚原は警察を後にする。
翌日、約束の日となり別れた妻子の元へ向かう塚原。しかし、今回の事件のことで警察が妻の暮らすマンションにも何度か訪ねてきたことや、週刊誌に記事が載ったことで、世間体を気にした妻から子供が帰ってくる前に帰って欲しいと涙ながらに頭を下げられた。帰り道に偶然会った娘にも父親と名乗ることも、用意したプレゼントも渡すこともできずに終わり、会社へ行くと社長からクビを宣告された。さらに長谷川は塚原が事件の犯人であると思っていて窃盗額の半額をよこせと言ってきた。
長谷川がアリバイは脅されて証言したと警察に話したことで塚原に逮捕状が出た。それが塚原に呼び出されて会っていた寺西にも伝わった。自暴自棄になっている塚原は寺西をも疑い逃亡する。警察に追われ、逃げた先の倉庫で民間人女性を人質に立てこもった。扉が閉まる直前に倉庫内に駆け込んだ里央だが、塚原の指示により手錠で鉄筋につながった状態に。寺西や小板橋正次(勝村政信)ら捜査課のメンバーと共に南雲も現場にやってきた。塚原は人質を解放する条件として、自分の無実を証明しろと訴えた。
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